◇2010年5月天城山荘校外セミナー報告
校長を泣かせた学生さんは天晴れです!
恒例の校外セミナーが5月22日(土)から24日(月)の3日にわたり伊豆の天城山荘で開講されました。学生198名、指導員11名、教職員11名、合計220名が参加し、林正人神父様は2日目からお出ましいただきました。セミナーは次のような校長挨拶でスタートしました。
〈先週あるパーティーでユネスコの事務局長を10年間務められた松浦晃一郎さんのお話を聞く機会がありました。ご存知のように松浦さんは世界の有形の文化遺産や自然遺産ばかりでなく無形の文化遺産の保護にも尽力された方で、各地の固有の文化を大切にしなければならないと熱く語っていらっしゃいました。言うまでもありませんが、この校外セミナーは東京保育専門学校の大切な無形文化です。卒業生の方々が、社会で同窓の横のつながり・縦のつながりを生かして助け合い教え合いながら活躍されています。これは大変素晴らしいことだと思います。そのような伝統の原点となっているのがこの校外セミナーであると私は理解しています。この3日間は皆様にとって、そして私にとっても、カトリックの愛の精神を学び、集団生活をとおして仲間との交流を深め、保育と幼児教育の学びを進化させる絶好の期間になると確信しています。天城山荘の設置目的の一つとして、静養と憩いの場を提供すると謳われています。リラックスして楽しくセミナーの課題に取り組んでいきましょう〉
そして実際に校外セミナーを体験してみて、始めから終りまで何と素晴らしい工夫と配慮(制度的、実践的、教育的、心理的)がほどこされているのだろうと驚きを禁じ得ませんでした。学生の皆さんに対して意識改革を伴う劇的な教育効果があるばかりでなく、本校の構成員に対する帰属意識の維持強化にも寄与することが理解できました。1学年上の指導員の皆さんの見事なリーダーシップと運営能力は特筆に値します。奉仕の精神と真摯な使命感をもつ彼女達の参画なくしてセミナーは成立し得ません。セミナーへのプロローグは学校を出発したバスの中で手遊びの実演や自己紹介などの形で始まりました。到着した天城山荘は、山荘長のお言葉では霊的な場所、疑似科学的表現では天城の森のフィトンチッドと浄蓮の滝のマイナスイオンに満ちた所、流行りの言葉ではパワースポットといったところでしょうか。何かが起こるという予感を引き起こさせる佇まいです。指導員のリーダーシップのもとで行われるグループ討論はセミナー中で最も肝心な課程で、ある種の集団的ブレインストーミングによる自己開示、保育と幼児教育を学ぶ各自の意味付けと意志の確認や強化が行われます。結果を取りまとめるために夜遅くまで話し合ったグループもありました。
二日目の午前中に各グループの代表により討論結果が発表されました。〈人に本心を明かしたのは初めてだった。他の人が様々な人生経験や考えを持っていることを知った。保育や幼児教育を学ぶことができる幸せを認識した〉等々の発表には心の底から感動しました。言葉につまり、校長の大事なお役目である講評ができなくなるという失態を演じました。〈グループ討論により感得した仲間との心のつながり、強化された同情、思いやりそして愛の精神こそが、最後まで全員一体となってセミナーの課題に取り組む原動力になったと思います。東京保育専門学校の文化の継承者の誕生です〉発表後に披露された指導員の皆さんによるハンドベルの生演奏も涙がでるほど美しいものでした。いつどこで練習したのでしょう? 、午後の球技大会は一転して若さとエネルギーのはじける熱気と興奮の坩堝となり、試合がどんどん白熱化しました。歓喜に引き込まれた教職員の希望で指導員との混成チームがつくられ、最下位の学生さんチームとの予定外の対戦が組まれました。結果は学生さんチームの完勝です。その夜のダンスの発表会も圧巻でした。各グループによる発表、指導員グループによる一段と洗練された演技、そして最後に全員を巻き込んだダンスで最高潮に達しました。地響きならぬ床響きを轟かせるダンスの迫力には林神父様も圧倒されたようです。壁に寄り掛かって観劇していた私までも引っ張り出され、手拍子を打ってフロアを一周させてもらいました。
話は前後しますがカトリックの宗教的なセレモニーも全員で学習しました。おいしい食事の前と後のお祈り、神父さまが営火長となり学生さん達が天使の役目を演じて行われたキャンドルサービスなど、静かで敬虔な雰囲気を楽しむことができました。そして最終日の午前に大チャペルにおいて、神父様により執り行なわれた入学感謝ミサは信者ではない方々も感銘を受けるもので、本セミナーにおける学びを総括するにふさわしいセレモニーとなりました。
閉校式の挨拶〈セミナーに参加された皆様、あっぱれです! あっぱれとしか言いようがありません。このような短期間に驚くべき成果をあげられました。この成果を誇りに思い、自信をもって前に進んでください!〉はすべての皆さまと共有できる思いではないでしょうか。学生のみなさんが目覚ましい成長を遂げるのを目の当たりにすることほど教師冥利に尽きることはありません
(東京保育専門学校2010年5月天城山荘校外セミナー報告 松本勲武)

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