【2022年度入学式】校長メッセージ(入学式式辞)

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【2022年度入学式】校長メッセージ(入学式式辞)


2022年度入学式式辞   “スクールカラー”

 

ご入学おめでとうございます! ようこそ天下の聖心学園東京保育専門学校に入学されました。皆様をお迎えしてこれほど嬉しいことはありません。

 

新型コロナ感染症の流行で、保育の現場が大変厳しい状況になっていると度々報道されているので、保育の専門職を敬遠する人が多くなっても不思議ではありません。皆様は、そのような風潮に流されることなく、本校の門をたたいてくださいました。皆様は何よりも子どもたちを愛し、保育の仕事に親しみと憧れを感じているからこそ、厳しい道は覚悟の上で、プロの保育者を目指す決意をされたのだと思います。教職員一同、尊敬と感謝の気持ちをもって皆様をお迎えします。大変ありがとうございます。
皆様が、子ども達の役に立つ人として心を磨き、保育の知識と技能、実際のやり方・ノウハウを習得して、天下の東京保育専門学校の卒業生として巣立って行かれますように、学校をあげて全面的にサポートさせていただきます。

 

本日の式典ではこの後、井上佳代子先生が校歌 ”浄(きよ)き乙女ら” を独唱されます。東京保姆専修学校の時代から受け継がれている歴史的な校歌です。校歌の歌声がこの教会内に響き渡るのは3年ぶりの事です。  男女平等・男女共同参画推進の観点から、女性に加えて男性にも本校の門を開いた時に、校歌を変えなければならないですね!と問われたことがありました。実は、その前から、高等学校を卒業したばかりの女性だけではなく、短大や大学を卒業した女性、社会人を経験した女性も入学されていました。ですから、乙女(おとめ)を若人(わこうど)に代えれば済むような単純な話ではありません。乙女ではなく、”乙女ら”と、ら(等(など))がついている事が肝要です。マジョリティーは成人間(ま)もない若い女性ですが、ら(等)には幅広い年齢層の女性や男性等(とう)のマイノリティーも含まれています。排除の論理はありません。皆様どうかご安心ください。

 

皆様はスクールカラーという言葉をご存知だと思います。校風という意味と学校のシンボルカラー・イメージカラーという二つの意味があります。校風とは、学校の伝統、印象、雰囲気、そして学生や職員の多くに共通して認められる特徴、特性、傾向等を指します。
学校法人聖心学園のイメージカラーはライトブルーです。隣の聖心幼稚園のフェンスに学園のライトブルーの看板があり、本校の本館や新館の外壁ではライトブルーのカラーリングが目立ちます。
ライトブルーがスクールカラーの高等教育機関は、東京では天下の東京大学です。東大に校歌はありませんが、学生が作詞作曲した学生歌や応援歌がいくつもあります。その中でも学生歌「淡青の旗たてよ」と応援歌「淡青の空」が有名です。淡(たん)青(せい)は「あわいあお」と書き、ライトブルーのことです。人格高尚で品位と学識がある事を示すとされています。

 

天下の東京保育専門学校のライトブルーの意味は東大とはちょっと違います。校歌の第一番に、浄(きよ)き乙女ら 眉あげて 仰ぐ希望の 青い雲・・・と青い雲が出てきます。青い雲とは、辞書を引くと、①青い色の雲、②青い空、③地位や学徳が高いこと、とあります。青い空はライトブルーです。このように、校歌では希望の象徴として歌われていますが、ライトブルーにはカトリックにかかわる大事な意味があります。カトリック教会では、聖母マリアを讃える呼び名としてマリス・ステラMaris Stella「海の星」が古くから用いられています。この「海の星」の海の青いイメージが、聖母マリアのシンボルカラーになったと伝えられています。しかし青は青でもいろいろな青が使われています。古くから聖母マリア像の外套や持物(じぶつ)アトリビュートの彩色に使われているのは、宝石の一種ラピスラズリから調製された高価な顔料ウルトラマリンの深い青です。この高円寺教会のお庭のマリア像のアトリビュートも深い青色です。しかし、ラファエロの聖母子像、例えばフィレンツェのパラティーナ美術館に収蔵されている小椅子の聖母ではライトブルーが使われています。本校のスクールカラーとぴったり同じです。

 

ブルーには良い意味ばかりでなく、憂鬱な、下品な等、イメージが悪い意味もあります。ライトブルーの場合は、クール、爽やか、信頼感、誠実、知的、包容力等といった良いイメージが溢れています。色彩心理では、思いやり、気配り、謙虚、サポートを意味します。本校の校風とぴったり同じです。また、卒業生の特徴として、明るく、思いやりがあり、フットワークが軽いという評判がある事も、天下の東京保育専門学校の誇りです。

 

青いと言うと、メーテルリンクの『青い鳥』を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。お兄ちゃんのチルチルと妹のミチルがクリスマスイブにこっそり家を抜け出して『幸せの青い鳥』を探す冒険の旅に出ますが、思い出の国、夜の御殿、森、幸福の花園、墓地、未来の王国など、どこへ行っても結局手に入れることができません。そして朝、夢から覚めると、部屋の鳥かごの中に青い鳥がいる事に気が付くのです。幸せは実は身近な所にあるという教訓が込められたお話しです。

 

ところで、皆様は青い鳥症候群という病気をご存知ですか? 自分は過小評価されている、自分にはもっと相応しい仕事があるはず、もっと良い恋人がいるはず等と言った具合に、現状を受け入れられず、良く言えば完璧主義、悪く言えば高望みで、絶えず理想の青い鳥を追い続け、不平、不満、怒りや不安に苛まれる病気です。この病気を克服するのは簡単です。予防するのはもっと簡単です。自覚して、意識を変えれば良いのです。まず、青い鳥の物語のフィナーレにあるように、目を覚まして、私たちの周りに幸せがある事を確かめましょう。今ある幸せは、無くなって初めて気が付く事が多いものです。災害や戦争によって苦しむ人々のニュースを聞けば納得できます。日常生活の中の小さな事、例えば、小さな気づき、小さな進歩、小さな成果、小さな喜び、小さな感動、小さな楽しみ、小さな安らぎ、小さな寛ぎ、小さな幸せ等、少しでも良い事があれば感謝する事を忘れないで一歩一歩進むことが大切です。そして自分だけのために求めるのではなく、他者のため子ども達のために求める幸せこそが真の大きな幸せであると感じられる”カトリックの愛の精神”を学びたいものです。それでは今日から気持ちを新たに一歩一歩進んでまいりましょう!

 

松本勲武

 

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