平成23年度の卒業生は、一部生119人、二部生35人の合計154人でした。 昨年比べて一部20人二部10人の増で、五年ぶりの150人を超える人数となりました。 年度当初から、昨年に比べて多い卒業生でした。校内の先生方や主事さんと密に連絡を取ること、特に幼稚園実習、保育園・施設実習の担当者とは一人一人個別に情報を交換し合いながら進めてきました。
本年度の進路就職相談の目標を
①ひとり一人の学生の希望を叶えるきめ細かな進路指導
②日頃から保育者となる心構えと態度を養成、
を掲げ全職員一丸となって進めてきました。 求人票は新年度がスタートしてまもなくから送られはじめ、例年に比べて一~二割増で特に保育園が多く、株式会社の設置するところから送られてくるのが目立ちました。全体的に早まってきている状況は続いているように思います。 このような状況の中で、今年度も就職希望者がそれぞれの内定先を得て、社会に巣立って行ってくれたことは、大変喜ばしいことです。
就職者数 | |||||
---|---|---|---|---|---|
資格を活かして | 資格関係なく | 計 | |||
幼稚園 | 保育園 | 施・学 | |||
1部 | 20 | 81 | 5 | 4 | 110 |
2部 | 4 | 25 | 1 | 0 | 30 |
合計 | 24 | 116 | 6 | 4 | 140 |
1)卒業生進路内訳
保育士資格、幼稚園教諭免許の取得資格を活かして就職したものは、137人で、その内訳は私立幼稚園、公立・私立保育園、施設、学童保育です。 保育者以外の新たな夢に進んだものは4人でした。

2)内定先の内訳
今年の顕著な特徴は
・保育園の内定が相変わらず圧倒的に多いこと
・昨年、幼稚園就職者が微増したが、一昨年の水準にまで戻ったこと
・保育者として、幼稚園教諭と保育士資格を活かして就職した学生が増えたこと
があげられる。
次に一番多い保育園、施設、学童保育の就職についてみてみます。設置区分別に調べると社会福祉法人立の園は86人で、昨年より10%増え、株式会社は14人で8%減少しました。株式会社の求人票は増えていたが、学生たちは法人立の保育園に関心が高かったようです。更に個人立、宗教法人立、学校法人立、NPO法人立、社会福祉事業団や公益財団など多種に広がってきていると思います。

3)内定の時期

今年度も就職活動の始まりが遅かったが、グラフにあるように、十一月と十二月が大きな山となり、この2ヶ月で6割近く内定を得ています。保育園より、幼稚園の内定が若干早まっていることもグラフに示されている通りで、これは求人票を送られてくる時期とほぼ重なっているといえます。昨年は三月にも小さな山がありましたが、今年は3月は4人のみで、きれいな放物線が描かれ、求人票と内定数が連動する順調な決まり方だったといえます。
4)内定までの経過

上図のように、今年も23区と多摩地区の差は更に小さくなり、今年度は多摩地区が4人多くなりました。23区内でも、公立の保育園の公設民営化が進み、分園や定員増で行政の子育て支援が拡大していることも一因かと考えます。また、地域を更に細かく見ると、本校所在地の杉並区が一番多く、多摩地区では人口の多い八王子市が多いのは例年通りでした。 これは学生も事業主もともになるべく住居と職場を近いところに求めることは自然な姿だといえます。
5)地域別就職者数
左図のように、今年も23区と多摩地区の差が小さくなっている傾向は続いています。23区内でも、公立の保育園の公設民営化が進み、分園や定員増で行政の子育て支援が拡大していることも一因かと考えます。

また、地域を更に細かく見ると、本校所在地の杉並区が一番多く、多摩地区では人口の多い八王子市が多いのは例年通りです。
6)終わりに
保育者を目指して入学してきた学生が、自分の夢を実現する就職は、何よりも自分の望む就職先に内定してもらいたいと切望しています。 保育者が足りないという声が多く聞かれる昨今、社会から強い要請を受けている保育・教育の仕事は子どもからも保護者からも頼りにされる存在です。望まれている保育者の姿をしっかりと捉え、自分自身をその理想像に近づけるべく日々の努力を積み上げていってくれるものと期待しています。