2017年4月入学式スピーチ|保育士資格・幼稚園教諭免許の取得なら東京保育専門学校

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2017年4月入学式スピーチ

PASCAL パスカル

カトリックの愛の精神を大事にして真の保育者を養成する東京保育専門学校へようこそ入学されました。「保育はとても大切です」、「保育が大好きです」と思っていらっしゃる若い皆様を大勢お迎えして、同じ思いを持つ者として大変うれしく思います。

 

カトリックの愛の精神は、「自分自身や周りの人、周りの環境を大切にする精神」です。この精神は、学力やIQのように数値化できる能力、いわゆる認知能力とは対極にある非認知能力の中でも最高の能力と言えます。

 

皆様が目指す保育の専門職には、最も助けを必要とする小さな子どもたちをしっかりとお世話する使命がありますが、そのためにはこの非認知能力が最強の力となります。未だに修業中の校長と一緒に、この能力を磨いていきましょう!

 

さて、皆様が本校に入学されて戸惑うことは何でしょうか? 授業時間が大学と同じように90分と長くなることもその一つかもしれません。本校に比べて座学の講義の割合が圧倒的に高い大学では、授業中の居眠りやお喋りが一大トピックになっているところもあるようで、「授業中に2度寝ができる」、「居眠りしていても、単位が取れる」などという学生の不謹慎な話が漏れ伝わって来ます。

 

ここで突然ですが、「おかしもち」という言葉をご存知ですか? 避難をする時の注意事項の標語です。押さない、駆けない、喋らない、戻らない、近づかない、の各標語の先頭の文字をつなげた略語です。

 

この例に倣って、お喋りしない、居眠りしないの、「お」と「い」から、「おい」という略語ができますが、これはいかにも乱暴です。私たち自身にとっても、保育においても極めて重要な活動である眠りやお喋りを一方的、短絡的に否定するものだと受け取れるからです。

 

昨年、睡眠に関する画期的な研究結果が報告されました。脳以外の体の中ではリンパ系が、老廃物や毒の清掃作業を担っています。老廃物や毒はリンパ液に溶け込み、体中に張り巡らされているリンパ管を流れて排出されます。しかし脳には毛細血管以外にリンパ管が入り込む隙間がありません。睡眠中に脳細胞が収縮し、老廃物や毒が脳脊髄液に浸み出して毛細血管上に集まって流れとなり排出されることが、今回初めて可視化されました。寝ている間にだけ、脳に溜まった老廃物や毒を排泄するグリンパ系と名付けられる仕組みの存在が明らかとなったのです。脳をディズニーランドに例えると、グリンパ系は、夜になってアトラクション等の楽しい活動が停止している時に、機械のメンテナンスや清掃をしている裏方さんに相当します。人生の三分の一から四分の一近くの時間を睡眠に充てている理由は、体重では全体の2%に過ぎないのに、エネルギー消費は全体の四分の一を占めるほどの大事な仕事をしている脳のメンテナンスのためなのです。ですから、眠る場所や時刻に注意して、十分な眠りの時間と質を確保しなければなりません。

 

三つの修士号を持つ保育幼児教育の専門家エリカ・クリスタキスさんが昨年出版された本(The Importance of Being Little – What Preschoolers Really Need from Grownups)の中で、『幼児が精神的に健やかに成長するためには、栄養よりも何よりも語りかけることがはるかに重要である』と報告されています。そして、乳幼児の言語獲得には、親や保育者の粘り強く、状況に即した語り掛け、乳幼児が言いたいことを推し量って代弁してあげるお喋りが特に大事なことも良く知られています。また、言うまでもありませんが、保育の現場では、子どもたちばかりでなく、同僚や上司、保護者とのコミュニケーション手段として、お喋りや会話はなくてはならないものです。お喋りの中身・内容も状況によって考えなければなりません。

 

ここで、校長が強調したいのは、皆様の眠りの能力と、お喋りの能力を一層進化させていただきたいということです。まずは時Timeと場所Placeと場合Occasion、いわゆるTPOを弁えましょう!

 

TPOは、単語の頭文字を合わせてつくる頭字語(Acronymアクロニム)と呼ばれる略語の一つで、アルファベット名で発音されるのでイニシアリズム(Initialism)とも呼ばれます。もともとメンズファッションの大家だった石津謙介さんが、服装の適切な使い分けを勧めるために造語したのですが、今では言葉遣いなど色々な行動の規範としても用いられています。

 

校長は、このTPOをより東京保育専門学校に相応しいものに進化させてみました。まず、一番大切な愛の精神Loveを選び、TPOをそっくりまとめてSituation状況に替え、Persistence粘り強さと、Attention注意深さと、Charity思いやりと、Amusement楽しむ心を加えました。そしてこれらの単語の頭文字の並べ方を工夫して、感じのいい人の名前に語呂を合せしました。PASCALです。パスカルは『人間は考える葦である』という言葉を残し、気圧の単位ヘクトパスカルに名を残しているフランスの哲学者兼科学者です。このような頭字語はバクロニム(Bacronym)とも呼ばれています。

 

繰り返しになりますが、皆様には、健康で幸福な人として、また理想の保育者として、PASCAL [粘り強さ・注意深さ・状況判断・思いやり・楽しむ心・愛]を身につけた眠りの達人お喋りの名人に少しでも近づいていただきたいのです。そんな人はAlienエイリアン(異邦人)か、ETイーティー(The Extra-Terrestrial地球外生命体)じゃないですかなどと貶さないで、ちょっと興味を持ち、面白がって挑戦していただければ幸いです。

 

本校では専門知識ばかりでなく、適切な生活習慣や保育リテラシー、保育のノウハウ等を短期間に学ぶカリキュラムが組まれています。大学に比べて純粋な座学の講義が圧倒的に少なく、演習や実技、実習、校外セミナー、校外授業、クラブ活動などの時間も多く、退屈することはないでしょう。

  

以上、少し眠りを誘う固い話になったかもしれません。何か確かめたいことがありましたら気軽に、校長室にお喋りに来てください。不眠症で悩んだ私の体験談等、どんな話題でも大歓迎です。

 

これから、心がウキウキしたり、気持ちがワクワクしたり、胸がドキドキしたり、目がランランと輝いてしまう様な機会がたくさん待っています。

 

早速、ミッションに取り掛かりましょう。

 

ご入学めでとうございます。

 

(2017年4月入学式スピーチ 松本勲武)

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