2019年3月卒業式スピーチ|保育士資格・幼稚園教諭免許の取得なら東京保育専門学校

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2019年3月卒業式スピーチ

学校からのお土産

何よりもまず、ご卒業おめでとうございます。皆様は様々な困難にもめげず、粘り強く努力を続けられたので、本日めでたく東京保育専門学校の卒業証書を授与される事になり、同時に幼稚園教諭二種免許状と保育士の資格を手に入れられました。ご支援下さった皆様のご家族やご関係の方々、ご指導くださった本校教職員並びにご来賓の先生方と共に、お祝いできることを大変嬉しく思います。

 

昼間はお仕事をしながら夜間は本校で勉強するという厳しい生活サイクルの中でも体調管理を怠ることなく欠席なしという事で皆勤賞を授与された方は言うまでもなく、優秀賞等の賞を受賞された方は勿論、じっくり時間をかけた方も含めて、皆様全員お一人お一人にとって、この卒業は快挙というほかありません。まことにおめでとうございます。

 

卒業される皆様のほとんどは資格や免許を生かした職に就かれます。皆様が習得された保育や幼児教育の専門知識や技能・ノウハウが大いに役立つことと思います。そして、余り意識していらっしゃらないかもしれませんが、皆様は確実にカトリックの愛の精神を身につけられています。

 

昨日も卒業感謝ミサで皆様を励まして下さった晴佐久 昌英 神父様が一番多いのですが、その他、ガエタノ・コンプリ 神父様やシスターの影山 あき子 先生から、合計して1部の卒業生は十数回、2部の卒業生は二十回近くもカトリックのお話を伺っています。また最終学年で開講される宗教学では、神学博士の島村 絵里子 先生から難しいお話もあった事と思いますが、見事合格されました。そしてなによりも、本校教職員の振る舞い、親切で思いやりのある振る舞いが皆様のお手本になっていると確信しております。

 

先日、卒業間近の学生さんからチョコレートを頂いて大変幸せでした! こうお話しすると、皆さんの中から、「校長先生はひょっとしてチョコレートを貰ったことを自慢しているのかな? 義理チョコでしょう! 義理チョコ!」などという囁きが聞こえてくるような気がします。半分あたっています。「校長先生、これいりますか!」と言って差し出されたのが、このアンパンマンペロペロチョコとアンパンマンペロペロキャンディーです。いかにも子どもたちが喜びそうなお菓子です。この学生さんは、送別会の会場で校長が立って疲れている様子に気が付き、椅子に座るよう促し、手持ちのアンパンマンのお菓子で元気づけてくれたのです。この自然であからさまではない気遣いを私は大変自慢に思います。カトリックの愛の精神を自然に身につけられています。 

 

以前、お亡くなりになる前は本校で毎年講演をして下さったシスターの渡辺 和子 先生から「カトリックの愛は、自分を含む人や生き物、そして周りの環境を大切にすることです」と教えていただきました。“大切にする”とは、要するに“何か良いことをしてあげる事である"と私は解釈しています。親切にしてあげる、気遣ってあげる、面倒をみてあげる、お世話をしてあげる、教えてあげる、遊んであげる、励ましてあげる、褒めてあげる、等々いっぱいあります。保育や幼児教育は、子どもを大切にする行為そのものですね! 晴佐久 神父様が「保育士や幼稚園の先生はカトリックの愛の精神に最も相応しい専門職です」とおっしゃっていた事も納得できます。

 

話は変わりますが、昨年、大変面白い本を読みました。スコットランドの有機化学者デイビッド・ハミルトン博士の“The Five Side Effects of Kindness”という題の本です。訳本では“親切は脳に効く”という題になっています。誰でも知っているように、私たちは親切にされると幸せに感じます。親切を薬に例えると、幸せにする作用が“薬効”という事になります。そして親切という行為をした人自身にも良い作用がある事が分かってきました。この予想外の作用を副作用(Side Effects)と呼ぶのですが、薬害が連想されるような悪い副作用ではありません。この本では、親切をした人達には、5つもの良い見返り、つまり良い副作用がある事を、自然科学的研究結果を引用しながら紹介しています。親切にすると幸せホルモンオキシトシンの血中濃度が高くなり、幸せに感じるとともに、心臓や血管が強化され、老化の進行も防げるということです。

 

カトリックの愛によって、私たちに幸せがもたらされる事を、分子のレベル、生命科学のレベルで証明する道が開けてきたわけですから、引退したとはいえ元生命科学者の私も、大きな驚きと今後の新たな発見への期待から、心がウキウキワクワクするような心境です。

 

文系の皆様のなかには“情けは人の為ならず”という諺や、“良いことをしていると、人の目につかなくても、必ず良いことが返ってきますよ”という言う意味の “陰徳陽報”という四文字熟語を思い浮かべた方がいらっしゃることでしょう。東洋でも経験知に基づく、似たような考えがあるのは大変興味深いですね。   

 

この間、ある会合で「今、保育業界は園の規模や運営方針、保育方針などが様々で、2、3年の経験で主任や園長にさせられる例があるなど、混沌とした状態・カオス状態である」と指摘する方がいらっしゃいました。カオス状態でなくとも、皆様には、何時かは管理職を勤めなければならない時期が来ます。皆様は、管理職の勉強が不十分だったのではないかと不安に思われるかもしれません。でも、大丈夫です。大切にしてあげる対象を子どもばかりでなく、部下や上司や周りの人々に大きく広げていく事で親切の連鎖反応を引き起こして、幸せな園にすることが最高の管理職だと信じてください。また、将来、母校で開催される管理職研修の受講もぜひ検討してください。 

 

以上、カトリックの愛の精神が皆様にとって学校からの最高のお土産である事をお話して、お祝いのスピーチとさせていただきました。 

 

それではいってらっしゃい!

 

(2019年3月卒業式スピーチ 松本勲武)

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